【研究所ブログ第55回】足立学園 教務運営部会の研修で行ったTPを学内でも実施①

3月17日午後、足立学園は、教職員全体の研修を実施しました。研修テーマは「教師としてふりかえりと来年度に向けて」で、栗田佳代子教授(東京大学 大学総合教育研究副センター長)が講師をされました。そして、教育研究所のメンバーと中堅現職研修の委員の先生方も見学しに訪問しました。

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教育研究所は、研修で実施されたプログラムが、まずは参加された先生方のモチベーションアップやスキル向上などにお役に立ち、さらにそれを学内でも持ち帰って広めていただく価値あるものをデザインするというミッションがあります。足立学園で実施された学内研修は教育研究所の研修で実施されたプログラムを、学内に適用するようにアレンジされたものでした。

今年度8月1日(木)~3日(土)かずさアカデミアホール・オークラアカデミアパークホテルで、教務運営研究会「令和6年度 宿泊研修会」が開催されました。テーマは「教務の仕事の再発見と新発見」。

当日、栗田佳代子教授を講師にお招きし、「ティーチング・ポートフォリオ(TP)」のワークショップを行いました。実際にTP作成の振り返りのプロセスをTPチャートというワークシートに取り組んで体験し、直近の教育活動を振り返りながら、建学の精神に基づいたそれぞれの先生方の教育活動の理念や目的の整理につなげていくワークショップでした。

足立学園は、そのTPのワークショップを、学内の状況に合わせてアレンジして行いました。今回で2回目です。実は教務運営研究会の委員長は同校の井上実校長です。井上先生は、参加した先生方が、ポートフォリオ作成に没入している姿と、互いにそのポートフォリオを対話しながら共有していく中で新たな発見をして、先生方自身が成長していく姿を目の当たりにして、ご自身の学校の先生方も同じような姿勢になる手ごたえを感じたといいます。

そこで同校の研修担当の先生方と情報を共有し、同校の具体的な教育文脈に適合するように考案し、栗田教授に2回に及ぶ研修を依頼したようです。

研究所のメンバーとしては、研修で実施されたプログラムが現場でも開催されるというのは画期的な出来事です。さらに、それが学校現場につながるようにアレンジされるということは、研究所の今後の研修づくりを新たなステージにシフトする可能性があると認識し、見学させていただくことになったのです。

また、3月25日(火)~26日(水)、ミナカ小田原コンベンションホールで、中堅現職研修の委員は、「私学教員のための組織マネジメント研修」を開催します。テーマは「自分の理念に気づき、グループダイナミックスを学ぶ」で、やはり栗田教授に講師を依頼しています。

したがって、TPのワークショップを学び、打ち合わせもさせていただくために、中堅現職研修の委員の先生方も研修に参加したのです。

このように、井上校長は、ご自身の学校だけではなく、教務運営委員会の先生方と共に、東京私学教育の全体に貢献できる研修をデザインしています。さらに、今回のように、ご自身の関係する委員会以外の先生方を支える場も作る配慮をしてくださっています。

今回は、東京私立学校が建学の精神に基づいたゆるやかな理念共同体として結束する一つの方法として研修の企画実施、そして学校現場への浸透という好循環のロールモデルが生まれた瞬間でした。


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