【研究所ブログ第73回】ポップカルチャーと国語教育
11月20日(木)、文系教科研究会(国語)では、東京学芸大学教授・千田洋幸先生をお招きし、「ポップカルチャーと国語教育」をテーマに講演会およびワークショップを開催します。

本研修では、アニメ・マンガ・ライトノベルといったポップカルチャー作品を国語科教育に取り入れることで、教育現場にどのような新たな可能性が生まれるのかを探ります。
国語科では、生徒は、言葉の意味や表現技法の理解に加え、登場人物の心情や作者の意図、さらには作品の社会的背景を読み解いていきます。しかし、古典や近代文学は生徒にとって距離を感じやすく、関心を持ちにくい傾向があります。そこで、ポップカルチャーを教材として活用することで、言語表現への興味を喚起し、学びの入口を広げる可能性を考えていきたいと思います。
さらに、生徒の関心が芽生えることで、自ら問いを立て、作品の背景や構造を探究しようとする姿勢が育まれる可能性もあります。ポップカルチャーには、現代社会の価値観や文化的背景が色濃く反映されており、言語だけでなく、社会・文化の文脈を読み解く力を養う教材としても可能性があります。
今回ご講演いただく千田洋幸先生は、島崎藤村を中心とした近代文学研究を出発点に、国語教科書・教材研究、ポップカルチャー研究、村上春樹論など、幅広い分野に関心を広げてこられました。主な著書には『テクストと教育―「読むこと」の変革のために』『ポップカルチャーの思想圏―文学との接続可能性あるいは不可能性』『危機と表象―ポップカルチャーが災厄に遭遇するとき』『読むという抗い―小説論の射程』などがあります。
【プログラム構成】
第1部:講演 国語科にポップカルチャー作品を導入する意義について
第2部:ワークショップ 教材開発・授業設計の可能性を探る実践的セッション
すでに多くの先生方から参加のお申し込みをいただいております。残席わずかとなっておりますので、ご希望の方はお早めにお申し込みください。ポップカルチャーの可能性を共に探っていきましょう。
参考)国語教師の"単独性"はどこにあるのか|第5回 ポップカルチャーのリテラシーについて|千田洋幸(2025.01.07)
