【研究所ブログ第29回】 教科と探究をつなぐ歴史的思考

令和6年7月23日(火)、文系教科研究会(社会・地理歴史)は、<「歴史分野研修会」 ~日本史探究を自分事の学びとし歴史的思考を深める回路~>を開催します。

詳しくは→https://k.tokyoshigaku.com/seminar/bunkei/post-1961.html

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2025年度の共通テストにおいて、いよいよ新科目「歴史総合、日本史探究」の試験が実施されます。また、日本史探究も新しい選択科目として2年目に入り、先生方も、昨年度の取り組みをさらにブラッシュアップして、より質の高い授業実践を目指していることでしょう。

その過程で、現場では、歴史総合と日本史探究をどうつなげていくのか、生徒が、歴史的な視点を、身の回りの生活と関連させていくにはどうしたらよいのかなど日々悩んでもいるという話を耳にします。

そこで、今回の研修会では、山川出版の『日本史探究 詳説日本史』の執筆に携わられた、学習院高等科の會田康範先生から日本史探究の授業実践についてご報告をいただき、それを受けて参加者同士の情報交換の機会も設けることとしました。

會田康範先生は、都立高校教諭を経て、現在は学習院高等科教諭、獨協大学、拓殖大学ほか非常勤講師として活躍されています。日本近世史や博物館学(博物館史)を専門としています。會田先生の探究の授業はゼミ形式で、生徒が自ら博物館を作っていくプログラムを実践しています。

博物館としての展示をするには、テーマにかかわる事柄や歴史的な背景、人間の生活とのかかわりなど、多角的に調べ、仮説を立てながら検証していく必要があります。博物館は、おそらく生徒の学びの博物館にもなっていることでしょう。そして、その学びこそが生徒の「歴史的思考」の核となるのでしょう。

會田先生は、日本史探究の教科書『詳説日本史』及び『高校日本史』の共著者であり、近刊では、『文化財が語る日本の歴史』(雄山閣)、『「歴史的思考」へのいざない』(戎光祥出版)の編著書などもあります。

新刊の『「歴史的思考」へのいざない』では、同書のテーマについて、會田先生は次のように書かれています。

<「歴史の営み」において、中核となると思われる歴史的に考えるということ、つまり、歴史的思考という行為はどのようなもので、それが現在の私たちにとってなぜ重要とされるのか、そして歴史的に思考し、健全で望ましいとして求められる歴史意識や歴史認識を育み深めるということが私たちの生活においてどのような点で意味のある行為なのか、さらにそれによって何を会得するのか、といった問題群を取り上げます。>

当日は、この問題群に対する重要な意識を共有しながら講演に耳を傾け、共に対話を深めていきましょう。


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