【研究所ブログ第20回】 これからの文学教材の授業づくり

今年度第一回文系教科研究会「国語」の委員会では、これからの「高校国語の授業づくり」について、参加者の先生方と一緒に授業案を考える会を企画しています。

◆詳しくは→https://k.tokyoshigaku.com/seminar/bunkei/post-1954.html

61yetNU4dVL._SY466_.jpg新学習指導要領により、現場では教科横断や個別最適化の問題が議論されて、新たな国語の授業づくりが模索されています。

また、大学入学共通テストや総合型選抜、文理融合の新学部・学科の設置の促進など高大接続改革が進む中で、「文学教材」を扱う授業について問い返されるようにもなっています。

本来「文学」は文系理系を問わず、それぞれの時代の中で翻弄されながらも人間の生きる根本的な問題に触れる重要な学びが連綿として続いてきました。その時代の社会課題と人間の葛藤の中で、自分の生きる軸を見出す私立学校が大事にしている建学の精神にもつながる人間力の土台を生徒一人一人が自分の内面につくっていく学びでもあるはずです。

その生徒の葛藤とそれに対応する自分の内面の基礎をめぐって国語科の教員は、いつも学びの本質を大切にしてきました。一方で、その思いを共有し、可視化する機会はそう多くはありませんでした。国語科の教員がそれぞれ一人で悩み創意工夫し奮闘努力している事実も否めません。

ですから、ぜひ同じ想いや課題意識をシェアしながら、これからの文学教材の授業づくりを作っていきましょう。参加していただきたい先生方は、もちろん国語科の先生方に限りません。また世代を越えて参加していただき、多くの発想や視点から対話したいと考えております。

今回お招きした講師の藤森裕治先生(文教大学教育学部教授)は、多くの現場の教員と一緒に授業づくりの研究をしてきました。

また、新刊「これからの国語科教育はどうあるべきか 東洋館出版社 2024/3/4」の編著者でもあります。同書は、教育、心理学、特別支援教育、作家、ジャーナリスト、会社経営者など教科教育を越えて各界から55名もの方がオムニバス・エッセイという形で寄稿されたいわば提言集です。国語科教員のみならず、ことばを大切にしているすべての人に向けられた書です。

今回の研修会で取り上げる素材文は、小説『山月記』を予定しております。申込みいただいた先生方には事前にこの素材文をご案内いたします。このワークショップを通して、授業づくりに関する沢山のヒントを共有し、生徒たちにも届けられることを期待しています。


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