【研究所ブログ第12回】 学校づくり研究会 学校教育の本質と生成AIをモヤモヤリフレクソロジーする

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モヤモヤリフレクソロジーとは?


令和6年3月9日(土)、学校づくり研究会は、「<モヤモヤリフレクソロジー> 学校教育とAI ~ChatGPTなどのAIとの共存の仕方~」というテーマで研修を開催します。

※詳細は、次のページをご覧ください。

https://k.tokyoshigaku.com/seminar/chosa/post-1934.html

<モヤモヤリフレクソロジー>?このNew Wordから皆さま御自身はどのような自分の情況を思い浮かべますか?各自それぞれいろいろなイメージの在り方があると思います。そのこと自体がすでにモヤモヤリフレクソロジーのはじまりです。そのモヤモヤを自由な雰囲気の場で、お互いに自分を安心して開きながら対話していきます。まるでツボをおされてリフレクションしていくような感覚の研修にしたいと委員の先生方は企画しました。

2023年度、学校づくり研究会では、「学校教育とAI」というテーマで熟議を重ねてきました。ChatGPT が一般公開されてからすぐに衝撃的な影響が社会に広がり、教育の世界も例外ではありません。その広がりは、我々の想像を凌ぐものがあります。今後の教育現場においては、生成 AI を避けて通ることはできず、適切な対応が求められています。

※委員名(支部・学校名・敬称略)
委員長 梶取弘昌(①大妻) 委員 野口大輔(②東海大学付属高輪台)、松本祐也(⑤岩倉)、原匠(⑥足立学園)、川端真理子(⑦多摩大学目黒)、齋藤祐(⑨中央大学杉並)、竹内一樹(⑫聖徳学園)

そこで、当研究会では、AI を用いた授業構想、AI に負けない授業の考察、哲学的論点からの AI の考察、AI に対しての各教育機関の対応状況調査など多岐にわたって議論してきたのです。

原則毎月第三土曜日18時から集い、じっくり熟議をしてきました。また、当委員会のメンバーは夏期の初任者宿泊合宿のファシリテーターとしても参加し、学校現場で教師がどのような想いや悩みや矛盾を抱いているのか共有してきました。

ですから、単純に生成AIの技術的なスキルを学ぶのではなく、結局は教育の本質の軸と現場の必要性と生成AIのかかわりについて議論が深まっていきました。最初のころは、実際にChat GPTの政府や大学で公表しているガイドラインのリサーチや実際に活用してみて、Chat GPTの可能性をモニタリングしていきました。

そのうち、活用してどこまでが限界かわかるようになるにつれて、適切に活用できる範囲までは活用し、それ以上をどうするのか熟議は発展していきました。

そして、そもそもAIの本質を見切れていないのに、適切な対応という信頼性はいかにして捉えられるのかという議論に回帰しつつも、現場でどう活用できるのか再び議論し、その次元をあげていきました。探究の「究める」というコトは、まさに終わりなき「モヤモヤリフレクソロジー」なのかもしれません。


学校づくり委員会の熟議

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学校づくり委員会は、事前に、委員の先生方1人ひとりが、自らの「モヤモヤリフレクソロジー」としての探究をレポートにして提出します。毎月土曜日に行われるこの熟議は、そのレポートをシェアしながら進めていきます。

各人、年間通じての「テーマ」があり、それについて毎月深めていくレポートです。そのレポートを見ると、各委員の思考の進化/深化がわかります。その進化/深化が起こるのは、たぶんに熟議による相乗効果というものでしょう。

今回の研修では、事前にこのレポートの集約版が参加者の先生方に配布されますから、学校づくり委員会の先生方の想いや考え方、未だ到達していないそれぞれの問題意識などを共有できます。それによって、参加された先生方ご自身の思いや興味、悩みのヒントになったり、新たな気づきが生まれることと推察します。

その思いを研修会で参加者同士が共有し、さらにまた新たな問いやテーマを発見し、さらなる次元のモヤモヤリフレクソロジーとしての対話や議論が広まり深まっていくことでしょう。

生成AIを教科でどのように使っていくのか?生成AIはSTEAM教育にどう活用できるのか?生成AIをめぐる政府や自治体の政策はどうなっていき、それが現場にどうつながるのか?小論文などの評価やフィードバックに生成AIはどう活用できるのか?そもそも生成AIは生徒の身体的・内面的な成長にどのような影響を与えるのか?SDGsの達成年2030年に向けて、あるいはSociety5.0に向けて教育における生成AIはどうかかわってくるのか?等々、モヤモヤレクソロジーが心身をぐるぐる回ることになるでしょう。研修会での議論の展開が楽しみです。


学校づくり委員会のインパクト

なお、今回の研修会では、OST(オープン・スペース・テクノロジー)という、大まかなテーマについて関心や情熱を持つ関係者が一堂に会し、自らが解決したい問題や議論したい課題を提案したうえで、自主的に話し合いを進める手法を活用したフラットでラディカルでディープな対話型のワークショップを行います。

実は、先述のように学校づくり委員会が初任者研修会の委員の方々とコラボしたときに、初任者研修会で展開されたOSTを体験しました。それがきっかけで、参加した先生方の興味と関心を大切にする対話をじっくり行っていこうという着想が湧いたわけです。

そして、そのような動きの評判を耳にした数学の委員会でも初めての宿泊研修を行うにあたって、そのOSTに挑戦しようということになったのです。しかも、自分たちの宿泊研修を行う前に、今回の<モヤモヤリフレクソロジー>に参加して体験しようというリサーチ行為にまでつながっているのです。

学校づくり委員会がそれぞれの委員会とコラボするダイナミズムは、研究所内でも横断的な好循環の契機になっています。この力学は、各学校現場で、様々な壁を超える時の大きなテコになる可能性があります。ぜひ学校づくり委員会の企画する研修会をはじめとする多くの研究所の研修に参加していただき、学校越境的な出会いの場で、共に私立学校の教育を創っていきましょう。


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