中止
理数系教科研究会(理科・地学)「宿泊研修会」 -歴史を動かした火山活動の痕跡/石炭発掘と共に発見された化石を追う-
※本研修は台風接近の影響により開催中止となりました。
長崎県島原半島に位置する雲仙火山は約430万年前に海底火山から形成した火山島が続く火山活動によって成長し、約40万年前に陸続きとなって現在の姿になりました。
この周辺は「島原の乱」で知られる江戸時代初期の一揆の史跡としてだけでなく、火山災害の痕跡や、それと共に暮らす人々の暮らしも学べる島原半島ユネスコ世界ジオパークにもなっています。雲仙火山では1792年に眉山が火山活動に伴う地震で一部が崩壊した際、崩れた土砂が海に流れ込むことで津波も発生し、島原半島で1万人、熊本・天草側では5千人が犠牲となる被害が発生しています。また1990年には雲仙火山の中心である普賢岳が、平成噴火と呼ばれる噴火活動をおこし、44名の死者・行方不明者の被害をもたらすと共に平成新山を形成しました。
さらに長崎県南部は、軍艦島に代表されるように日本の近代化を支えた石炭産業の中心地として知られています。その一方で哺乳類の骨化石が産出し、スウェーデンの探検家により新生代の植物化石が日本で初めて発見された場所でもあることを知る人は多くないでしょう。中生代から新生代の地層を一度に巡ることができる地学巡検には大変適した場所でもあるのです。
今回の研修では、歴史を動かす噴火を何度も起こした日本有数の活火山である雲仙火山、産業革命の歴史と共に発見された長崎県南部の露頭を専門家と共に巡ります。地学を軸としながらも、火山の恩恵や脅
威、人類の歴史と共に発見された地球の歴史を実感してもらうことで、どの科目においても、授業の彩りとなる実体験を積むことを狙いとしています。
宿泊研修である利も活かし、2日目夜には、委員がインストラクターとなり、電子観望による星雲などの天体観測も計画中です。
やや専門的な内容も含みますが、地学の先生方はもちろん、他の教科においても地学という身近な自然に直接結びついた学問は、教科横断的に非常に役立つものと考えています。ぜひ現地でしか味わえない自然の魅力とともに、「地学三昧」の濃密な時間を過ごしませんか。
日時
令和5年8月7日(月)~9日(水)2泊3日
集合について
時間 8月7日(月)7時45分
場所 羽田空港 第二ターミナル出発ロビー
※詳細な集合場所は後述の実施要項でご案内いたします。
旅客券について
今回の研修会は、以下の便の往復団体予約(研究所手配)も合わせてお申し込みください。
〈往路〉 8/7(月)ANA661 羽田 8:30 - 長崎10:20 ¥34,850
〈復路〉 8/9(水)ANA670 長崎19:10 - 羽田21:00 ¥26,270
・繁忙期であるため個人でのご予約が困難なことが予想されます。そのため、団体予約のパッケージ研修といたしました。ご理解いただいたうえでお申込みをお願いいたします。
・やむを得ず上記の便をご利用できない場合は必ずお申込み前に事務局へご相談ください。
・締切日(7/3)以降の申込み取り消しはキャンセル料が発生いたします。(参加者負担)
行程等について
実施案内をご覧ください。
講師・案内人
〇1日目、2日目
九州大学 理学研究院 附属地震火山観測研究センター 教授 松島 健 氏
主な研究活動
♦雲仙普賢岳噴火の測地学的研究...雲仙普賢岳の噴火に伴う普賢岳山体や溶岩ドームおよびその周辺の地殻変動を傾斜計、GPS、水準測量で観測し、マグマの噴出および冷却過程を研究
♦火山噴火予知の基礎研究 ♦内陸で発生する地震のメカニズム研究
♦福岡県西方沖地震の研究 ♦霧島新燃岳火山の研究
○3日目
長崎県地学会 山川 続 氏
主な活動 など
♦中学校教諭(理科)として40年勤務
♦長崎県地学会理事・運営委員で、巡検部長としてジオツアーを担当
♦長崎大学教育学部で鎌田泰彦教授の指導で、伊王島層群を調べ化石層序学を学ぶ
♦1973年(高校1年生の時)長崎市茂木町の北浦海岸に露出する地層よりアンモナイト、イノセラムス化石を発見し、白亜紀の地層と確認。1979日本地質学会西日本支部第94回例会で発表
♦長崎市茂木町北浦海岸における白亜紀層の発見(鎌田泰彦・堀口承明・山川 続・松本達郎)
宿泊先
〇1日目 原城温泉 真砂
〇2日目 Nagasaki house ぶらぶら
定員
15名(定員になり次第締め切ります)
参加費用
①参加費 32,880円(税込み)
(参加費には宿泊費、昼食費、保険料、諸雑費などを含みます。その他の経費は当協会会員各校の拠出金と東京都私学財団からの補助金で運営されております)
②旅客券 61,120円(税込み)
①+②合計 94,000円(税込み)
※申込時にご入力いただいたメールアドレス宛に「参加費のお支払い」(7月初旬)、および「実施要項」(7月中旬)等について、必要事項を記載したメールをentry@tokyoshigaku.comよりお送りいたします。
申込方法
7月3日(月)までに、下記の参加申込みフォームからお申込みください。