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理数系教科研究会(理科・地学)「宿泊研修会」 ~北部北上山地周辺に古生代・中生代の地層を訪ねる~

 私たちが生活する日本列島は、4つのプレートが会合する場所に位置するため、地震・火山活動・地殻変動といった地学的諸現象が顕著です。それだけでなく、日本列島の成り立ち自体も、プレート運動にともなう付加体が基盤となっており、その上に火成岩や新しい時代の砕屑岩などが分布することで、非常に複雑な地質構造を呈しています。本宿泊研修会は、普段目にする機会の多くない古生代・中生代の地層を訪ね、私たちが生活する日本列島がどのように成立してきたのか、そしてどのような地球活動の営みがそこに記録されているのか、その一端を垣間見ることをテーマとして企画いたしました。

 今回の研修地である北部北上山地に見られる北部北上帯は、玄武岩、パンサラッサ海(古太平洋)遠洋で形成されたチャートと石灰岩、海溝の大陸側で形成された砕屑岩などからなるジュラ紀付加体であり、日本列島の基盤を学ぶのに適した場だと言えます。

 最初の見学スポットである古生代―中生代の境界(P-T境界)の地層は、地球生命史上最大の大量絶滅事変の時期を記録する貴重な露頭でもあります。この北部北上帯のP-T境界は、西南日本に見られるものよりも保存が良いと考えられています。大量絶滅事変の原因については未解明の部分が多く残されており、今も研究が盛んに行われていますが、研修地をフィールドとされている専門家にご説明いただきながら、海洋が無酸素状態になったことを示す黒色の粘土岩層などを観察します。その後、付加体を不整合で覆う、後期白亜紀に浅海で堆積した宮古層群や、その上位に位置する久慈層群も見学します。2泊3日という限られた日程ではありますが、古生代に形成された地層から時系列順に地層を追っていき、堆積環境の変化などを考えます。また、最終日には、久慈琥珀博物館を見学するとともに、琥珀発掘体験場で後期白亜紀の地層から琥珀化石を発掘する時間を設けますので、運が良ければ琥珀を持ち帰ることもできます。

 やや専門的な内容を含みますが、全行程を通して専門家にご案内いただける絶好の機会です。地学担当の先生方はもちろん、地学をご専門としない先生方にとりましても、今後の教育活動に資する、実り多き研修会になるものと考えております。大変お忙しい時期ではありますが、皆様お誘い合わせの上、奮ってご参加くださいますよう、ご案内申し上げます。

日時

令和4年8月8日(月)~10日(水)2泊3日

集合について

時間 8月8日(月)10時00分

場所 盛岡駅(盛岡駅集合・解散です。)

行程等について

実施案内をご覧ください。

講師・案内人

名古屋大学 准教授 高橋 聡 先生
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専門:地質学・古生物学・地球化学

主な研究

・岩手県北東部、北部北上帯の地質学的研究

・日本に残る後期ペルム紀前期三畳紀の深海堆積物の化石年代・地球化学的研究

                ・ニュージーランド北島に位置するペルム紀-三畳紀の深海堆積物の研究

 講師・案内人のほか、アシスタントアドバイザー

  • 海洋研究開発機構 松本 廣直 氏
  • 細田学園高校 江口 ゆき 氏

宿泊先

国民宿舎くろさき荘

定員

15名

参加費

30,000円(税込み)

※申込時にご入力いただいたアドレス宛に「参加費のお支払い」(7月初旬)、「実施要項」(7月中旬)について等、

必要な事項を記載したメールをentry@tokyoshigaku.comよりお送りします。

※宿泊費、昼食費、保険料、諸雑費などを含みます。その他の経費は当協会会員各校の拠出金と私学財団からの補助金で運営されております。

申込方法

7月1日(金)までに、下記の参加申込みフォームからお申込みください。

実施案内 


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