【研究所ブログ第69回】ティーチングポートフォリオ作成の教員研修

教育の原点に立ち返る----ティーチングポートフォリオ作成研修の記録

教育研究所が目指すのは、先生方の心に火を灯すような研修のデザインです。参加された先生方が「もっと良い授業をしたい」「自分の教育を見つめ直したい」「生徒が豊かに成長する教育環境をデザインしたい」と感じられるような、そんなプログラムを研修委員の先生方が作成するのをサポートしています。そしてその熱が、学内へと広がっていく----それが私たちの願いです。


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この夏、そんな想いを形にした取り組みがありました。共栄学園で行われた、全教員対象の「ティーチングポートフォリオ(TP)」作成研修です。8月30日、東京大学の栗田佳代子教授(大学総合教育研究センター副センター長)を講師にお迎えし、先生方が自らの教育活動を深く振り返る時間が生まれました。

栗田先生は、昨年8月の「教務運営研究会」や今年3月の「私学教員のための組織マネジメント研修」でも講師を務められ、参加者の心に残る学びを届けてくださいました。共栄学園の矢野将弘先生は、このマネジメント研修の企画運営をする委員の一人です。教務運営研究会にも参加され、TP作成は、授業だけではなく、教員の教育活動全般のリフレクションでも効果的だと実感し、学内の研修でも栗田先生を講師にお迎えする企画を学内で議論し実現しました。

研修では、先生方がワークシートを使って自分の教育を振り返り、「なぜ教えるのか」「何を大切にしているのか」といった根本的な問いに向き合いました。矢野先生は、「このプロセスを通じて、教員一人ひとりが自分の教育理念に気づき、建学の精神と向き合うことができる。そして、それが教員同士の信頼と連携を生み、より良いチームを築くきっかけになる」と感じたそうです。

研修に同席された御宿重夫校長は、先生方の真剣なまなざしや、熱のこもったディスカッションの様子を目を細めて見守られていました。終了後には、「教員が自由に自分の考えを語り、それを受け止める仲間がいる----この雰囲気こそが共栄らしさ。そんなチームワークを築いている共栄の教員たちを誇りに思う」と、温かい言葉を残されました。

教育とは、教えること以上に、問い続けること。今回の研修は、先生方が自分自身と向き合い、仲間と語り合い、生徒の未来を描くための大切な一歩となりました。


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