【研究所ブログ第42回】理科の先生にお願い「理数系教科合同の授業実践報告会」
令和7年2月17日(月)、理数系教科研究会では、理数系教科(数学・理科)合同による授業実践報告会を企画・実施します。今回は、理科の先生方は勿論のこと、他教科の先生方でも参考になるような授業実践の取組、あるいは教科横断的な授業実践の取組を主なテーマといたします。特に「生徒の興味が高まるような取り組み」「生徒の理解が深まる活動」「ICTや実物教材を用いた体験を取り入れた活動」については大歓迎です。日頃の授業実践の取組を報告してくださる方を募集いたしますので、校務ご多用とは存じますが、ぜひご応募いただきたく、ご案内申し上げます。
詳しくは→https://k.tokyoshigaku.com/seminar/risuu/post-1971.html
昨年は次の7人の理科の先生方に報告して頂きました。ご覧のように、創意工夫された授業で、参加された先生同士大いに刺激を受けました。そして、理科の内容と同時に理数系の授業の方法論や学習ツール、生徒参加の有効性などは、理科の授業を超えて共有できる試みばかりでした。
それゆえ、理数系教科研究会では、まずは理科と数学で合同実践報告会に挑戦してみることにいたしました。
Ⅰ. 菊田雅之先生 雙葉中学校・高等学校 化学『記憶に定着させるための演習授業の実践』
高校3年生を対象とした化学の入試問題演習において、記憶の定着を図るために行った実践報告を伝える。
①結晶格子模型の作成から隙間の理解
②色鉛筆を使用した無機沈殿の理解
③教え合いから学ぶ有機構造決定など
その他、追加でお伝えできることがあれば上記に加えて報告する。
Ⅱ. 本橋晃先生 雙葉中学校・高等学校 生物『ホタルの発光を再現するルシパックPenの有効利用~酵素の働きへの温度の影響を調べる』
・キッコーマンバイオケミファ社から販売されているルシパックPenを用いると、エネルギー物質であるATPの働きを確かめられ、ホタルの発光が再現できる。この実験は生徒にはとても好評で、他の利用方法を検討した。発光しているルシパックPenを冷やしたところ光が弱まり、同試料を温めると光は再び強くなった。100℃1分間の処理により発光は止み、適温に戻しても戻らなかった。これらを授業に導入した結果について紹介。
Ⅲ. 宇田川茂雄先生 暁星中学校・高等学校 物理『ジオプトリ使用のすすめ』
焦点距離の逆数をジオプトリという。高校物理では使われていないが、これを使おうという提案。ジオプトリは凸レンズの集光力を表すもので慣れてしまえば便利な概念である。凸レンズの実像公式や眼鏡での補正での活用を例に紹介。
Ⅳ. 渋谷慧先生 安田学園中学校・高等学校 物理『アクティブラーニング×アダプティブラーニング』
「授業で黒板を使うのは生徒だけ」
授業における新しいスタイルの導入。授業ではアクティブラーニング、授業外ではアダプティブラーニングを実施した結果と現状、また導入方法などを紹介。
Ⅴ. 青鹿吉洋先生 恵泉女学園中学・高等学校 理科『本校における「理科好き増やそうプロジェクト」の概要と具体的な取り組みについて』
学内で「理科好き増やそうプロジェクト」を立ち上げてから5年ほど経過した。本校は女子校であり、とりわけ女の子に興味・関心を持たせる取り組みを実施してきた。様々な「科学コンテスト」や理科教員から出題されるクイズに答えてスタンプを集める「スタンプラリー」、その他、学内の展示の工夫などを紹介。理科に関心を持たせることで、同じような悩みを抱えている先生方と意見を共有したい。
Ⅵ. 後藤寛先生 立教池袋中学校・高等学校 環境『ボードゲームを活用したエネルギー教育の実践』
原子力発電環境整備機構(NUMO)が作成した地層処分を題材としたボードゲームを活用し、生徒間で合意形成を体験する機会を得ることができた。NUMOのスタッフにもご協力いただいて、科学的な知識に基づく評価も頂くことができた。この授業実践の内容を報告する。
Ⅶ. 吉田孝三先生 啓明学園中学校高等学校 物理『既存の生徒実験を討論の場に』
既存の実験を、教師対生徒あるいは生徒対生徒の対話型(討論型)の授業形式にするために、日々奮闘しているが、その奮闘内容を紹介。