【研究所ブログ第34回】事務長研修会の重要性
令和6年10月3日(木)~4日(金) オークラ千葉ホテルで1泊2日の事務長研修会を開催します。事務長、事務局長、またはそれに準じる方が対象です。プログラムの内容は、法改正対応を含む、人事・労務管理について予定しています。
●お申し込みは→9月5日以降に研修情報の参加申込みフォームから
東京私学教育研究所の研修の大きなカテゴリーは「企画運営」と「研究研修」の2つです。この「企画運営」の中に「私学経営研究」があります。そして、この研究には、「理事長校長部会」「教頭部会」「事務長部会」の3つがあります。
いずれも、私学経営の理念、方法、リスクマネジメントなど私立学校の組織の持続可能な進化を運営する勉強会を行っていますが、中でも、「事務長部会」は、学校組織全般の運営、および教育環境の整備を支えるきわめて重要な勉強会をします。
というのも、私立学校の事務職員は、学校運営を円滑に進めるために多岐にわたる重要な役割を担っているからです。たとえば、財務管理(予算の作成と管理、会計処理、給与計算、学費の徴収など)、人事管理(教職員の採用、労務管理、研修の企画・実施など)、総務業務(学校の施設管理、備品の購入・管理、文書の作成・管理など)、学生支援(入学手続き、奨学金の管理、学生の相談対応など)、広報活動(学校の広報活動、イベントの企画・運営、保護者や地域との連携など)などの多様で複雑な業務があります。
経営の意思決定は理事会が中心となって行うのですが、そのための資料やデータなどの情報を日ごろから積み上げているのです。
そして、その仕事は、すべて法律に従って行われています。教員は教育関連法規の知識がまず必要ですが、事務局長をはじめとする事務職員は、教育関連法規のみならず幅広い法令の知識が必要です。
したがって、法改正に関しては漏れなく知っておく必要があります。今年努力義務から義務となった「合理的配慮」の法的な考え方や昨年改正された私立学校法に基づく寄附行為変更認可申請の知識、ハラスメントにかかわる法的問題など、知らないでいると、トラブルに巻き込まれる可能性があるわけです。
学校の法化現象は、生徒や教師、保護者の人権の問題が横たわっていてウェルビーイングな学校を作っていく際に、信頼性・正当性・妥当性をチェックしながら慎重かつ迅速に対応していく必要があります。それを怠ると、学校の未来の人材を育てる役割に対する信頼を失う場合もあります。
そのような学校の教育の質を向上し、学校の社会における信頼性の持続可能性を日々全力を尽くして守っているのが私立学校の事務職員なのです。
その重要性とその役割を遂行する具体的な知識と技術を弁護士を交え事務長同志情報交換しながら相互により善いものにしていくのが本研修会の目的です。