【研究所ブログ第28回】定期総会 東京の私立学校の経営と教育を守る

令和6年5月23日、一般財団法人東京私立中学高等学校協会は、令和6年度定期総会を開催しました。令和5年度の事業報告、収支決算、令和6年度の事業計画などについて、東京の私立学校の理事長・校長など代表と情報共有をしました。

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冒頭挨拶で、近藤彰郎会長は

1) お忙しい中、お集まりをいただいたことに、参加された理事長校長に感謝の意を表しました。
2) 東京都からは都議会議長の宇田川聡様、東京都の生活文化スポーツ局長の古屋留美様、日本私立中学高等学校連合会吉田晋会長、東京都の私立中学高等学校父母の会中央連合会会長の鹿濱德雄様にも、ご列席いただいたことに関し、心から感謝の気持ちを述べました。
3) また、私学部からお越しいただいた私学部長の加倉井様、行政課長の福本様、行政課の課長代理松井様にも、日ごろお世話になっていることに対し、感謝の言葉を表しました。
4) さらに、当日、永年勤続者222名、叙勲4名、文部科学大臣の優秀教員表彰7名、東京都知事の教育功労者9名の表彰式を行いましたので、その報告をされました。

このように近藤会長がまず敬意を表したのは、形式的なことではないのです。東京の私立学校の経営は、理事長校長だけではなく、多くの方のご協力及びご支援があって成立することを象徴的に語ったのです。そして、242名の表彰は、教員の日ごろの誠意と努力の賜物であることを忘れてはいけないという意味があったと思われます。

5) 5月に実施された東京国際フォーラムの中学学校相談会、8月に実施予定の私学展について、それぞれの私立学校の魅力と東京私学全体の存在意義を多くの方に知ってもらうチャンスを共に作っていこうと呼びかけました。
6) その際、東京都による高校生の保護者のために所得制限なしの授業料軽減助成金48万4000円の支援、中学生の保護者のための10万円の支援について、これは2030年の急激に15歳人口が減ることに対し、今から対応策を講じる機会をもらえたとやはり感謝の意を表しました。
7) また3年連続私学振興予算の総額が増加したことについて、東京私学、父母の会が一丸となって私学の要望運動をしているからであり、これからも協力して行っていこうとエールを送りました。

このような近藤会長の言葉の背景には、昭和50年に制定された「私立学校振興助成法」があります。この法律が制定される前は、私立学校の経営はかなり不安定であり、1892年には政府による私立学校撲滅策が唱えられ、私立学校を統制する「私立学校令」が1899年に制定されたことがあることを例に出し、この法律を守っていくために、要望運動は重要であることについて説明されました。

私学撲滅などということは今の時代あり得ないと思っていたら、大間違いであり、すでに大阪のキャップ制は、私学経営権の侵害であることを確認しました。

8) さらに、私立学校法改正による寄附行為の改正について説明がありました。これは私立中高のガバナンス問題で、油断すると私学が統制される可能性があります。それゆえ、油断をしてはならないと昨年来、近藤会長を中心に協会は運動をし続けてきました。

詳しくは、夏の「私学経営研究会・理事長校長部会」で、近藤会長から八雲学園モデルの寄附行為を共有しながら、説明があります。

公立私立高等学校協議会の都立と私立の高校入試の申し合わせの話もありました。基本的には、少子化に向かう中、両者が協力しながら、東京の中高生の教育の質を向上していく努力をしていくということでしたが、それは私立学校が公立学校と同程度の教育を行っていくという意味ではありません。

私立学校は、建学の精神に基づいて独自の先見性・先進性ある教育の魅力を磨いていきます。この教育の質の向上を東京の私立学校は協力して行っていこうというのです。この気概を実現し続けるために、一般財団法人東京私立中学高等学校協会の事業計画には、東京私学教育研究所の研修を中心とする事業があるのです。


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