【研究所ブログ第21回】 東京私立中学合同相談会 教育プログラムの新たな動き

5月12日(日)、東京国際フォーラムで、「Discover私立一貫教育2024東京私立中学合同相談会」が開催されました。参加した22,327名の児童・保護者は、各校のブースで、「学校の雰囲気」「教育プログラムの内容」「大学進学実績」などの情報を獲得するために熱心に私学の先生方の話に耳を傾けていました。

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来場者のアンケート項目「各校のブースで知りたい内容を順に3つまで選んでください」に対しては、「学校の雰囲気」「教育プログラム」「進学実績」「施設や環境」「教育理念」「クラブ活動」「入試までの学習」などが多かったのですが、中でも「教育プログラム」と「進学実績」の2つについては、パンデミック以降興味深い推移を示しています。

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パンデミックの時期は、新学習指導要領が本格実施される時期と重なります。また、緊急事態宣言の中にあって、多くの私学がオンライン授業を展開しました。さらに、パンデミックが収まったあたりから、満を持して海外研修が再開されました。

そのような条件が複合して、新しい教育プログラムが東京の私学で一斉に花開いたということもあるのでしょう。児童・保護者は、「教育プログラムの内容」に関心が高まっています。

新学習指導要領実施以前は、私学は公立と比べて、高度な学力を促進し豊かにしてきた内容が語られてきました。また海外研修も多く異文化理解の体験も私学の特徴でした。

ところがパンデミック以降、それらに加え、社会課題を「総合的な探究の時間」のみならず、授業の中でも学ぶ機会を増やしています。さらに高大連携や海外大学進学準備のためにグローバルな視野や視点で人間と社会の在り方という本質的な問題に迫る研究まで行われるようになっています。

実際各学校の多くのブースでは、グローバルキャリア教育と探究の独自性についてプレゼンされていました。本研究所が実施している研修を企画運営している各学校からの委員の先生方も、そのポスターセッションで熱く語っていました。

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ふだんから委員の先生方は、講義型の研修だけではなく、ワークショップベースの探究型研修を企画されています。また、海外大学に進学できる幅広い教養を身に着け、人間と社会の在り方について広く深く学べるプログラムについて、大学の先生方とも連携して熱心に研究されています。

研修において、多くの東京私学の先生方と日ごろから実施している学びをさらにブラッシュアップしている成果が、合同相談会においても反映され、多くの新しい教育プログラムの大展示会さながらでした。

そして、それは子供の未来のウェルビーイングと希望を望む保護者にとって有意義な時間となったと確信しています。


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