【研究所ブログ第7回】学校運営のための生成AI活用研修 教頭部会で
今年も夏季の教頭部会は「宿泊研修会」でした。テーマは「AI時代を迎えた今、21世紀の教育を考える」。VUCAと呼ばれる変化の激しい時代の中、教頭先生方が、時代の求めに応えつつ、これからの新しい時代を担う若者をいかに教育していくか対話をし、多角的な情報や新しいアイデアを共有しました。
その中で、2022年11月に公開され、今年の夏までにすでに急速に発展していた「生成系AI(Chat GPT)」を実際に体験するワークショップも設けました。委員の横田先生がスーパーバイザーを執り行い、4人の委員の先生方がファシリテートしながら展開していきました。
※教頭部会:委員長 大西哲也先生(第11支部 明治学院東村山校長)、委員 内田和也先生(第5支部 桜丘教頭)、高橋英子先生(第7支部香蘭女学校教頭)、齋地彩先生(第9支部光塩女子学院教頭)、横田優子先生(第10支部 帝京教頭)
7月4日に、文部科学省が「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」を公開していたこともあり、私立学校も生成AIの使い方を検討していましたから、学校を運営するリーダーとして教頭が生成AIを実際に使い、メリット・デメリットを議論できたのは、時宜にかなった機会となりました。
研修会は7月26日に行われましたから、予定では「生成AI」の使い方は入門編という段階のもののはずでしたが、アイスブレイクで少し使ってみただけで、参加された先生方は、一気に「生成AI」の魅力に気づき、同時に限界や危険性などについても大所高所から議論は進みました。
その後、プロンプトにどのような質問や指示をすれば、「保護者向けの文章」「中間テストの問題」をうまく作成するのか試行錯誤するワークショップが続きました。
「文章の構成が意外と自然に作成されているのに驚いた」とか、「回答のスピードに圧倒された」とか、「感情面にも対応しているように見える」、「的確なプロンプトをどう作成するか課題だ」、「生成AIの回答の真偽をモニタリングするにはどうしたらよいか」、「生徒がもし読書感想文や志望理由書を生成AIの回答そのまま提出してきたとき、どのように見破るのか」など絶え間なく議論が繰り広げられていきました。
そのうえで、生成AIをパートナーとしてあるいは副操縦士としてどのように活用していけばよいのかルール面や倫理面など考慮しながら、積極的に使っていく流れをつくりたいというアイデアが生まれていました。
参加された先生方は次のようにアンケートに回答されています。
- ChatGPTを初めて使いました。生成AIの特性を考慮しながら、自分自身がどう活用するか、生徒にどう授業するか考えることができました、この研修がなかったら使うきっかけがなかったので、良かったです。
- ChatGPTを実際にやってみて、その長所、短所、教員、生徒にどう勧めていったらよいかを考える良い機会となった。
- 今話題のChatGPTは、勤務校での研修会不要と考えていたが、グループで同じ課題に取り組むことで、学内使用(特に生徒)を考える上で、研修が大切だと思った。勤務校でもワークショップを行おうと思う。
- ChatGPTを使うワークショップは大変面白かったです。実際にあのように具体的な内容について文書作成をしたことがなかったので、メリット、デメリットについて理解できました。
- ワークショップは有意義で、ChatGPTを初めて動かす体験は貴重だった。