【研究所ブログ第3回】東京私学教育研究所の研修のプログラムの仕組み

画像1.png

東京私学教育研究所の実施する研修プログラムの仕組みは、基本的には「講義」と「分散会」(「座学」と「シェアリング」)の2つがセットになっています。委員の先生方が今求められている切実な学校のニーズをリサーチしたり、新しい教育知識や改正された教育制度などをリサーチしてテーマをまず決めます。学校教育と運営に欠かせない最先端の情報を選択して、「講義」を依頼する専門家を探します。

そして、その専門家の「講義」を通して、参加した先生方一人ひとりが、気づいたこと及び自分の学校における悩みや創意工夫していることなど「分散会」で情報交換をします。しかし、客観的な情報共有だけではなく、そのような対話を通して新たな企画や方法が生まれてくる場合がほとんどです。

ですから、委員の先生方は、「情報受容」と「情報共有」と「情報創造」の3つの内的な活動がどの研修でも行えるようにデザインしています。そして、「学問としての理論」と日々の学校教育の中で先生方が創意工夫して生まれてきた「現場の理論」が結合できるようにしています。この結合によって、研修で体験したことを先生方ご自身の学校現場に持ちかえられるからです。

画像2.png

この結合(イノベーション)が柔軟で強いものになるには、研修の時間を考慮して計画することが必要です。「講義」と「分散会」がワンセットの研修は、平日の2時間から3時間の研修になります。

夏期などは、宿泊研修になり、「講義」と「分散会」のそれぞれのバリエーションが多様になります。たとえば、「講義」のスタイルが、すべてを教えるタイプからミニワークショップを交えながら行うなど「講義」のバリエーションが設定されます。

また「分散会」においても「ディスカッション」や「グループワーク」、「フィールドワーク」のような発展的な拡張性を持たせます。そして、バーベキューをはじめとする食事会をいっしょにして懇親を深めていきます。学校を超えた絆づくりも大切な研修の目的の一つです。

画像3.png

困ったときに学内の「同僚」だけではなく、学外の「仲間」のネットワークは壁にぶつかったとき大いに役立つことは学校の先生方は長い経験を通して了解済みです。このような「講義」×「分散会」のバリエーションは、今年は、アフターコロナを迎え、各委員会によって創意工夫され多様になっています。

この研修の仕組みの多様性は、各学校から委員になっている先生方の実践の情報共有と委員会でその実践を持ち寄りながら議論することを通して、ブラッシュアップしていきます。大学教授や弁護士などの専門家との事前のミーティングによってさらに効果的なプログラムに洗練されていきます。


※1)本ブログで「情報」という言葉を使うとき、「情報教育」の情報とか「知識と情報を区別する」というような文脈の意味に限定していません。教育学、教育心理学、教育社会学、教育工学、教育経営学、教科の知識・方法・評価、生徒指導の知識・方法・評価、教育関連法規の知識、リスクマネジメントの知識・方法などの専門的な知とそれに相当する各学校の事例研究などを含む広い意味で使っています。

画像4.png

※2)夏期合宿研修の際などには、研修の基本形と研修のバリエーションのハイブリッドになります。平日の研修は、テーマの内容と時間のかねあいで、「講義」のみの時も、「分散会」のみのときもあります。情報受容の時間も「事例発表」のない「講義」だけの時もありますし、「事例発表」のみの場合もあります。


お知らせ一覧に戻る

研修カテゴリー・テーマ

一般財団法人
東京私立中学高等学校協会
東京私学教育研究所

〒102-0073
千代田区九段北4-2-25 私学会館別館4F
キャラクター