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研究所たより
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研修なくして私学なし-①

2010-07-01

当研究所のホームページが開設され、3ヶ月が経ちました。

皆さまへのご挨拶の代わりとして、一般財団法人東京私立中学高等学校協会副会長研究所担当理事實吉幹夫先生と

当研究所長清水の対談『研修なくして私学なし』の模様を数回のシリーズに分け、連載することといたしました。

ご高覧の上ご指導ご意見を賜れれば幸甚の至りです。

 

 

①≪これからの研究所の役割≫                       

 

○清水

 研究所の活動について様々な角度からお考えをお聞かせいただきたいのですが、實吉先生いかがでしょうか。  

 

○實吉

 やはり研究所の役割というのは、各校に何を返していけるかということなんだろうと思いますが、

これまでの視点に新たな視点を加え、全体として少し変えていくということがこれからは必要なのかなと思っています。

いつも清水先生が言われているように、私立学校の教員というのはどういう教員を目指さなければいけないのか、

理事長・校長には理事長・校長に、教頭には教頭に、生徒指導部長クラスに、中堅の先生方に、というふうに、

それぞれの職種に対して研究所として、何か一つまとまった発信が必要なのかなという気はするんですね。

 一般財団法人東京私立中学高等学校協会副会長 實吉幹夫先生

 今までそういう統一性というのはあまり取ってこなかったのではないでしょうか。

各学校が求めていることを果たして把握していたかなという疑問がいささかある。

その辺はこれからの研究所として少し方向性をつくっていく必要があるのかなとは思いますね。

 

○清水

 各学校がいろいろな研修をしていて、その学校の理念に基づいた教育というものを、

理事長なり校長先生が先生方に折に触れて話すことによって、自分はこの私立学校でどのような教員生活を送っているか

というのを自己との対話の中で見つけている、たぶん“見つけているであろう”ということを、これまでの研究所は

前提にしていたような気がしているんです。

 したがって、研究所としては、細分化したノウハウに力点が置かれた運営方式だったと思うんです。

 

○實吉 

 やはりハウツウが主体にならざるを得なかった時代はあると思います。

そのハウツウというのは何かというと、教科のことであってみたり、モンスターペアレントの問題にどう対応したら

いいのかというようなことであって、今、我々が学校現場で抱えている問題をどう解決していこうかということだけを

中心として研究所の研修テーマが決められてきたかなという気はするんですけどね。 

 

○清水

    当研究所長 清水哲雄  

 けれども90年代後半くらいからいろいろな学校の先生方とお話ししたりしていると、

どうもそういう前提が崩れているような気が私自身していました。

有体に言えば、「あなたは、その私立学校でどういう生き方をしているの?」

ということに対し答えが「ない」というか、別の言い方をすれば、

サラリーマン化したような先生に出会うことがどうも多いような気がしていました。

 一生懸命自分の城をつくって、例えば教科なら教科という城をつくって、その中を一生懸命やる。

それはそれで大事なことなんだけれども、しかし、その枠から飛び出そうとしない。

与えられたものを一生懸命精一杯やる。そして、そのことを研究所がアシストしていたのではないかと、  

極端にいえばそんな心配をちょっと持っています。   

 

 ○實吉 

 そういう意味ではもう一回見直してもいいのかなという気がしますね。 

 

○清水

 えぇ、私立学校で子どもたちを教えるということの意味であるとか、「あなた自身が研鑽していないかぎりは、

生徒に『勉強せい』と言うことはできないよ」ということとか、そういう生き方そのものへ何かちょっとした

サジェスチョンが研究所のいろいろな研修の中でできると少し違うかなと思うんですね。 

 

○實吉

 それは、教員個人のことになるのか、いま社会で起きている現象について研究して何かを出すのか、

ということはあると思うんだけれども、やはり教職員自身に「自分たちが変わらないと」というのがないとね。 

 

○清水

 研修で何か知識を得るという部分ももちろんあるんですが、「変わる」というのは、

行動なり考え方が変わるわけですので、知識を得たり何かを知ったことによって

自分の行動が変わっていくということ、変化することですよね。実をいうと、

これは實吉先生がおっしゃっているlearning to knowが、to knowだけでは足りなくて、

それがlearning to doという発信やlearning to beという自己の存在についての学びと連動し、

全体としてセットにならないと「学んだ」ということにならない、ということにつながっていくんですね。注①

 だから、私たち企画側からすると、そういう研修をしたいわけです。知識を得ながら、

でもなおかつ「今の私と明日の私は違う」「研修を受ける前の自分と受けた後の

自分はガラッと変わった」というふうになりたいと思うし、研修のやり方によっては、やはり人は変わっていく。

もしかしたら、研修によってその先生が本来持っている物が顕在化した、

あるいは引き出されたということなのかもしれない。それはわからないけれども、いずれにしろ結果的には変化した。

そういうものがないと、本当の意味での研修ではないのではないかなと思うんです。 

 

○實吉

 自分が受けたことを自分の学校に持って帰って、それを自分の学校の中に普及させることができるか、それも大事ですね。

 

次回、②≪研修には人を変える力がある≫では、

研究所が目指すこれからの研修のあり方についての対談を掲載します。

ご期待ください。

 

注① ユネスコ「21世紀教育国際委員会」報告書より以下の学習の4つの柱を指す

   1. Learning to know

   2. Learning to do  

   3. Learning to be

   4. Learning to live together

カテゴリー:研究所だより
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